動功

81.背骨の訓練の効果について

「築基功」は禅密気功の基本の功法であり、重要な功法の一つです。
「築基功」の内容は背骨の運動です。

背骨の訓練は千年前に日本でも広まった事があります。
中国では背骨の訓練は、それ以上の長い歴史があり、
昔から現在まで残っている数少ない健康法の一つです。

背骨の訓練の効果を、運動効果と瞑想効果の二つに分けて説明したいと思います。

背骨の訓練の運動効果について
①動脈と内臓に良い按摩
②頸椎、腰椎など背骨の病気と、肩こりなどの症状を無くすには非常に効果的です。
③20分以上練習を続けると、かなりの運動量があり、余分の脂肪を消費し、
 筋肉を引き締める効果があり、そうするとスタイルも良くなります。
 同時に体力と筋力が強化されます。

もっと深く練習すると、瞑想法と繋がってきますが、ここでは、運動法の効果を説明しました。

(この文章は次回の会報の抜粋です。)

29.背骨の運動

背骨で全身を動かす事は禅密気功の基本であり、一番大切な事です。
どんな功法を練習する時でも、先ず背骨で体を動かしてから練習を行います。禅密気功の上級功法を練習する場合でも、一番基本である背骨を動かす事はいつも含まれています。「陰陽合気法・人部」のように長い時間をかけて練習する功法も、最初は背骨で体を動かしますし、長い瞑想の間にも時々、背骨の運動を行います。

背骨の運動の特徴と効果
現代の人達は昔と較べると、車、テレビ、パソコン等の普及により、運動量が減っていて、新陳代謝が落ちている、筋、筋肉が凝っている、体力が落ちている、筋力が衰えている、などの現象が多くみられます。
「築基功」という背骨を動かす運動は、上記の問題を解決するには最適な運動の一つです。
何故ならば、
1. 普通の運動は手足を多く動かしますが、築基功は背骨を中心とする運動です。
背骨を動かす事によって、内臓を動かし、マッサージするという効果があります。そうする事で脳髄液の循環を高め、中枢神経を活性化し、結果として新陳代謝を高める事ができます。新陳代謝が落ちるといらいらしやすいし、自信がなくなってストレスが溜まりやすくなり、特に女性は冷え性、頭痛、生理不順などの様々な症状がでてきます。背骨で内臓を充分に動かす運動により、有酸素運動の効果が得られ、上記の症状を改善する事に役立ちます。

2. この運動は、外見は柔らかく、運動量も少ないように見えますが、実際に行ってみると、激しい運動ではありませんが、胴体部分の運動量は結構あります。20分以上続けて練習すれば、汗ばんできて、体力アップを図る事ができます。

3. 人は体を動かさないと筋、筋肉が段々凝ってきます。この凝っている部分は殆どの場合、首、肩、背筋、腰、股関節など、背骨の両側です。背骨で体を動かす運動はちょうどこの凝っている部分を大きく動かすので、凝りをほぐすにはとても効果的です。

4. 背骨で全身の筋、筋肉を伸ばす事によって筋力をアップする事ができます。

しかしながら、背骨で全身を動かす動作で充分な効果を得るには、練習する時にいくつかのポイントに注意しなくてはなりません。
背骨の運動の注意点
1. 背骨で全身を大きく動かす
動作を大きくすると、内臓、筋、筋肉、骨、関節を充分に動かす事ができます。
動作が小さいと、内臓等は動かせますが、運動量は充分ではありません。

2. ある一定時間、持続させる
運動の効果を充分に得るためには、一定量の運動時間が必要です。運動の時間
と運動量は比例しています。初心者、体力のない人は15分程度からスタートして、序々に30分程度に伸ばしていきます。体力がついてくれば、30分以上続けて練習したほうが良いでしょう。そうすれば、かなりの運動量になり、さらに健康になります。1回の練習時間は1時間以内で、きつくなく、少し疲れる程度でやめましょう。回数は1日に朝、昼、夜の3回できれば理想ですが、1回だけでも、毎日続けるとかなりの効果がでてきます。

3. 動作を大きくするだけではなく、少し力をいれて、筋、筋肉を伸ばす
今、凝っている部分は、以前から症状があって、長年にわたって凝っている部
分が大きくなって、現在の症状になっています。ですから、柔らかく動かすだけでは足りません。力をいれて、その部分の筋、筋肉を動かすことが必要です。

4. いろいろな角度からその凝っている筋、筋肉を動かす
背骨で全身を動かす時、いろいろな新しい動作を探して、新しい角度から筋、
筋肉を動かすことが必要です。 初心者は自分では自由自在に動いていると思っていても、実際には充分でない場合が多いので、特に気をつけましょう。
築基功をまとめた動きは蠕動です。この蠕動には様々な動作があり、劉先生は「千変万化」といいました。
凝っている部分は大体、あまり動かしていない部分が多いので、動作を大きく、又いろいろな角度で動くように注意します。動く時には常に新しい動作を探します。新しい動作を行う時には、どこが凝っているかを探し、どうすれば凝っている部分を一番効果的にほぐす事ができるかを、動きながら観察します。そうすると効果がでてきます。いつも同じ動作で体を動かし、体内の感覚も探さないで動いていると効果は薄いです。

背骨の運動による効果の過程
では、最後に、背骨で体を動かす事によって得られる効果の過程について述べましょう。通常の生活では動く時には痛いところや凝っているところを無意識に避けて動いていますが、練習の時には意識して凝っている部分や痛い部分を探して、少し力をいれて動かすようにしなくてはなりません。

そうすると
1.最初は痛くて嫌な気持ちでも、次第に痛くて良い気持ちになります。

2.続けて練習すると、この痛みの感覚が緩和されます。凝っている部分の面積も
次第に小さくなります。自分の筋、筋肉の感覚を観察しながら練習すると、その感覚が分かるようになります。

3.もっと続けて練習すると痛くて凝っている部分は筋の一部分だけに残って、そ
の筋を大きく動かすと、痛くて良い気持ちが出てきて、もっと引っ張ると痛みがなくなります(カクンと体内で音がする場合が多い)。その感覚が出てくれば、殆ど治る状態になっています。

4.さらに練習を続けると、体についている脂肪が少なくなって、筋肉が絞られてくる事を感じる事ができます。そうすると体が軽く感じられます。その軽い感覚は例えれば、冬の間、厚着をしていても慣れているので重いと思っていませんが、春になって薄着になると体が軽く感じられる、というような感覚です。動きたいような気持ちが出てきます。体力に自信を持てるようになります。物事に対応する時も前向きな気持ちで取り組めるようになります。

以上は背骨で体を動かすという運動について、その効果、注意点、効果の経過について述べましたが、皆さんご存知のように気功の真髄は意念と気持ちの訓練です。背骨の動きと意念、気持ち、全身の気に関しては、以前いろいろな文章で述べていますので、それらを参考にしてください。

28.動功について(その2)

5.動功と静功の関係 
静功は気功の中で真髄的な部分であり、対する動功は気功の中の基礎であり重要なものです。もう少し詳しく説明すると、動功は全身の気を活性化し、皮膚、筋など体の外側から気を活性化して体の内側にいきます。静功は体の芯から気を活性化して、体の外側に広げていきます。静功の静かな練習によって、体の深層の気を活性化する事ができます。動功と静功を上手くあわせて練習するとより健康になります。例えば肩凝りや腰痛など筋、筋肉の病気には動功をより多く練習し、内臓の病気、慢性病には静功をより多く練習して、体質の改善には動功を多く練習し、精神の健康のためには静功をより多く練習すると良いでしょう。

そうはいっても動功と静功を分けて考える事はできません。以前書いたように、動功の中に静があり、或いは気、意念、気持の訓練があります。静功の中に、体の姿勢、バランスの維持などの訓練もあります。広い意味で体を動かさなくても筋、筋肉の訓練であれば、それも動功ではないかと思っています。

同じく他のスポーツを行っても、次ぎに体内の意念、気持の訓練と繋がりがあれば、それも気功の動功といえると思います。例えば気功の練習をした人間が他の運動をしていると、体内の気の流れの感覚が分り、それと併せて運動する場合があります。その場合、その運動は気功の動功ともいえるでしょう。ここで思い出す例があります。上海禅密気功の責任者であった沈先生は、ある時期ダンスの練習をよくしていました。先生によるとダンスの音楽のリズムに併せて、体内の気が動く事を観察する為にダンスの練習をしていると言っていました。その時のダンスは気功の動功とも言えるでしょう。反対に気功の動功を行っていて、外見上はそうであっても、気、意念、気持の訓練と繋がらなければ、動功とは言えないと思います。

実際には動功と静功を絶対的に区別する事はできません。動功をしている時、気、意念、気持の訓練もあり、静功を練習する時、筋、筋肉の訓練もあります。
特に站(たん)椿(とう)功(こう)は動いてはいませんが、筋、筋肉はかなり使っていますので、静功より動功だと思います。

昔は動功と静功という区別はなく、外練、内練という区別をしていました。「外練筋筋肉皮、内練精気神(精は体内のエネルギー、気は活性化して健康のために動いている、神は元気な精神)」。外は筋、筋肉、皮の訓練で、中は精、気、神の訓練と言う意味です。私は外練、内練という分け方が動功、静功よりもいいと思っていますが、一般的には動功、静功という区別の方が普及しているのでそれでもよいと思います。
  
6.動功の火加減
① 動功の強弱の火加減 
動功の特徴(長所と短所)により、動功を行う時は練習する人の体質にあわせて
練習する事が大切です。始めて練習する時は動功からスタートするか動功を多め
に練習します。年配の人、体の弱い人、内臓に疾病のある人は柔らかい動功から
始めるとよいでしょう。若くて丈夫な人は強めの動功から行うと良いでしょう。
座りっぱなしの人は下半身、密処、股関節の辺りを大きく動かして、パソコンを
使う人は首、肩、肩甲骨を多めに動かします。自分の体にあわせて、動功を行う
事が大切です。朝の練功の時は静功から始めて、その後、動功を多めに練習しま
す。夜の練功の時は動功から始めて、静功を多めにします。これは自然のエネル
ギーの動きにあわせて練習すると言う意味です。
   
ここでの強めの動功というのは無理矢理体の極限まで練習すると言う事ではなく、又、柔らかい動功というのはゆっくり連続して楽しく動かす事です。

② 強い動功の火加減
適度な運動量と、ある程度の我慢をして練習する事が効果をうみます。動功を練習する時、疲れや痛みが出てきても、そこを我慢して、更に練習を続ければ一層の効果を得られます。動功で疲れが出てきても、それを乗り越えて練習を続けると、体力がアップします。こっているところの痛みが出てきても、続けて練習すれば、ほぐす事ができて、更に効果が上がります。ですので、適度な運動量が必要です。運動量が必要と言っても、徐々に増やす事が大事なことです。やりすぎると却って健康を害します。気持も嫌になって練習への興味と自信をなくしますので、自分の体の状態にあった運動量を行います。

③ 柔らかい動功の火加減
まず動功の動作に馴れるように練習する事が大切です。「動かす」から「動いて
いる」になる事です。次ぎは「動いている」動作と併せて体内の気を動かす事です。最初、気の感覚が出ていない時は、気が出ているように思い込んで、意念を動かします。ここで大事な事は、気功態の状態(体の内外からの刺激がない状態、夢うつつと似たような状態。気功態については会報を参照して下さい)で、思い込む事です。続けて練習すれば、体、気(光)、意、心が一体になります。それについての説明は今まで多くしてきましたので、参照して下さい。

強調したい事は気功の動功の練習も大変大事だという事です。
自分は上級者なので動功は基礎部分だから必要でないと思われる人がいるかもしれませんが、基礎部分であっても常に練習する事は必要です。上級者でも体がだるくなったり、疲れたりしますので、動功の練習は必要です。                       では、禅密気功の動功の練習を通して気功の良さを身につけましょう。   

27.動功について(その1)

一般的には気功の練習では動きがあるか否かで、動功と静功に分けています。今まで静功については練功中の各段階の感覚、特徴等について比較的細かく説明してきましたが、今日は動功について説明してみたいと思います。

今回は、1.動功の必要性、 2.動功の長所、 3.動功の短所、 4.静功の長所、 5.動功と静功の関係、 6.動功の火加減 のうち、1~4迄を掲載します。

1.動功の必要性
体が弱いと気持が落ち込みやすく、雑念が生じやすくなります。筋、筋肉が凝っていると、静功の訓練の邪魔になります。やっと気持が静かになっても痛む部分が余計に刺激されて、静かな気持の邪魔になります。筋力が弱いと、体は静かな瞑想を支える事ができません。又、長く座り続ける事ができず、やっと静かな境地になっても、その気持を長く持ち続ける事ができません。動功は筋、筋肉を動かす運動ですので、動功の練習を通して体質を改善し、凝っている筋肉をほぐし、筋力を強くする事ができます。

2.動功の長所
① 動功は体を動かす運動ですので、それによって体質の改善ができます。
体質が改善されると、元気になって前向きな気持が出てきて、そうすると集中力も増します。
② 動功によって筋、筋肉の凝っている所をほぐす事ができます。
静功の練習によって、凝っている部分や痛い部分を改善する事はできますが、年数がかかります。肩こりや筋肉、筋の疾病についてはやはり動功を行う方が早く改善する事ができます。
③ 動功によって体力をアップする事ができます。
静功では殆ど座って瞑想を行います。瞑想中はリラックスしているといってもある程度の体力が必要です。長く座っていると、疲れてきて長く座れなくなります。動功を練習すると体力がアップし、もっと長く座れるようになります。
④動功を練習すると全身の気が活性化し、新陳代謝が良くなります。
全身の気が活性化した状態で静功を練習すると、より効果を得られます。

3.動功の短所
動功は素晴しいですが、気功という健康法の練習には動功だけでは足りません。
① 動功は身体を動かしますので、動く感覚が意識と気持に刺激を与えます。その刺激が原因で意識と気持がより深く安定する事ができなくなって、深層にある繊細な気を活性化する事ができません。
② 動功によって全身の気が活性化しますが、活性化された気は総て体の健康のために使われるのではなく、運動の強さにより相当部分が動功の運動そのものによって消耗されてしまいます。
③ 動功は筋、筋肉の疾病に効果があり、内臓に良い影響を与えますが、内臓の慢性病を改善するには動功だけでは足りません。
④ 動功によって体が強壮になり、元気になりますが、それだけで必ず長生きするとはいえません。気功では、生まれてから死ぬまでの呼吸の数と心拍の数や、胃や内臓の運動量は大体決まっているという考え方があり、常によく動かすと寿命が短くなると言われています。医学的には証明されていませんが、心身双方を養うには動功だけでは足りない部分があります。

4.静功の長所
① 静功は意識、気持を静かに穏やかにする練習ですので、それによって全身の深層の気を活性化する事ができます。
② 意識と気持が静かになると、邪魔な刺激がなくなり、他の為にエネルギーを使う事がないので(例えば運動や仕事など)、体内のエネルギーは総て自分の健康の為に動きます。全身の気もそれに併せて流れていきます。ですから体内の気は健康のためにもっと有効に流れていくのです。
③ 静功と言う健康法は体内のエネルギーをなるべく消耗せず有効に動かすので、静功の練習を通して長生きする事ができます。 (会報38号2006年8月より抜粋)

次回に続く

13.「築基功」と「持身法」

気功の瞑想、或いは禅定をある程度練習すると、ある現象がおこってきます。
全身の表面的な力を抜いただけではなく、奥深い部分の力と緊張感が総てなくなって、背骨で体を支えて座っているという感覚が良く分かってきます。

その時の体の感覚は大変リラックスして軽くて良い感じです。
意識も外部の刺激をあまり受けないようになって、体内のその感覚だけを感じるようになって、気持も揺れるのではなく静かに子供のように素直になります。そうすると自然にその良い感覚に集中して、とてもよいなあという気持になってきます。その良い感覚が分かれば長く続けて練習しても疲れません。
練習していない時でも、少し静かになればこの状態になりたいと思うようになります。その状態は「心身軽安」、或いは「持身法」といいます。

「築基功」は基礎を築く功法であり、練習すると「持身法」と同じような現象がおこります。「築基功」には静功と動功がありますが、まっすぐに座っている時、落ち着いて安定しているような感覚が浮かんできます。その感覚にそって練習を続けると「持身法」の方向に向かっていきます。
ですが初心者は体に、凝っている、重い、痛いと感じる部分などが結構ありますので、座ったままで練習を乗り越えるのは大変ですから、「築基功」では主に四つの運動(四動功)を対処法として行っています。

この四動功は単なる体操、運動とは異なり、心身共にリラックスして良い感覚を得るための動作です。劉先生は心の良い感覚を「無声で心の底から笑い、微かに笑い、朗らかに、素直に、愛慕するように、善良に、慈悲深く、そして人に布施する気持があるように笑う。体中のいたるところで笑う。」といいました。
又、劉先生は四動功の時の体の良い感覚を、四文字でまとめています。
「軽、柔、緩、円」です。

「軽い」というのは、力を加えず動いています。
「柔らかい」というのは、全身が硬くなくて柔らかく弾力があるように動いています。
「緩やか」というのは、動くスピードは均一でゆっくりと動きます。
「円やか」というのは、逆方向に動く時、円滑にまわして動作を気持によって千変万化することができます。この四つのポイントにそって練習すれば、一番心身共にりラックスした状態になれます。

この動作は自分の体にあわせて、二段階に分けて練習するほうが良いでしょう。
先ず、「軽、柔、緩、円」で動作を行うといっても、凝っていたり、痛い部分がある場合には、筋、筋肉を少し強く引っ張りながら動かします。強く引っ張るといっても、基本的には「軽、柔、緩、円」で動いています。そのまま練習すると凝った部分、痛い部分がなくなります。

なくなった後の四動功は筋、筋肉は引っ張らないように動かします。なるべく体に刺激がないように動きます。
劉先生は、四動功の時「その力を思うままに強くしたり、弱くしたりすることが出来る、と同時に千変万化する事」と言っています。
そのまま常に柔らかく動かすと体が非常に楽になって、意識は外部の刺激を受ける事はなくなって、その楽な感覚だけを感じますし、気持もその楽な感覚と一致しています。そうすると長く練習しても厭きもせず、疲れもしません。練習していない時でも、少し静かになれば動きたくなります。

電車に乗っている時に自然に動き出したり、四動功が好き、蠕動が好き、と言っている人達は、きっとその状態になっていると思います。この心身共に軽安の状態は「持身法」と同じだと思います。

瞑想、或いは禅定という「健身法」は少なくとも2000年以上の歴史があります。
多くの修行者達によって豊富な経験が残され、「持身法」はそのひとつです。それは瞑想の上級段階でないと体験できない現象ではなく、ごく初段階の瞑想で必ずおきる現象です。「欲界定」のなかの「粗住」の典型的な現象です。或いは瞑想の時の「入門」の現象です。「築基功」は基礎を築く功法であり、入門功法です。

「築基功」を練習する方向は伝統的に認められた方向に向かっていかなくてはなりません。或いは「持身法」という現象を門にたとえるならば、この門に入らねばなりません。「築基功」という入門功法は「持身法」という門に入るべきだと思います。

では練習を通して「心身軽安」という「持身法」を体験してみましょう。

10.背骨で全身を整える事について

背骨で全身を整える事は禅密気功の特徴であり、築基功の基本です。
今回はその事について説明しましょう。

先ず築基功の静功を行う時のポイントです。
1.三七分力、2.三点一直線、3.密処をリラックス、4.慧中を開く事、で、その4つのポイントは総て背骨を整える事により、達成されます。

1.三七分力
全身のバランスを整える。動きながら全身の筋、筋肉、関節を意識して、緊張している部分があれば整えます。全身の力を抜いて、背骨で全身を支えて立っているような感じがあれば、三七分力になります。
2.三点一直線 
全身の気の感覚を整えて、密処から天頂までの気の柱が強く感じられれば、三点一直線になります。
3.密処をリラックス
背骨で密処を動かして、密処のエネルギーの感覚があったら、全身に広げるように微動します。
4.慧中を開く
微動しながら慧中に集中する事。

次に築基功の動功です――四動功
築基功の動功は背骨で全身を整える事ですが、その中に
1.全身の筋、筋肉、関節を整える事と、2.全身の気を整える事のニ段階
があります。

1.全身の筋、筋肉、関節を整える事について
基本的に守らなければならない事は背骨で全身を波のように、或いはS字状に、或いは背骨が蛇のように動いている事。早く、強く、大きく動かす事もできますし、遅く、柔らかく、小さく動かす事も出来ます。頭から先に動かす時や、尾てい骨から先に動かす時もあります。或いは真ん中を中心として動かす時もあります。他には逆方向に動かしたり、S字状に蛹動する事もあります。色々なポイントを組み合わせると動作が千変万化します。特に蠕動の時は背骨は三次元の空間で動いています。さまざまな動作の目的は筋、筋肉を色々な形で動かして、こっているところをほぐす為なのです。

2.全身の気を整える事について
こっているところがほぐれたら、次の段階は気を整えることです。気を整える時、動作は柔らかく、円やかで連続して、ゆっくりと動かす事がポイントです。この動き方は気を一番感じ易く、活発にする動き方です。もし背骨で動いている感覚を蛇と例えるなら、この時身体の中には二つの蛇の感覚があります。背骨の蛇と気の蛇です。
動功を始める時は背骨の蛇が先に動き出します。それによって気の蛇の感覚が活発になり強く感じられて、背骨の蛇の感覚は薄くなっていきます。
気の蛇は背骨の蛇の中(骨髄)から出ますが、収功の時、再び背骨の蛇の中に戻します。気を整える段階の動功は背骨の蛇を通して気の蛇を活発にさせるための動作です。動作は柔軟に、活き活きと行ってください。築基功はこの二つの蛇を調和させる事を通して肉体の体と気の体を整える功法なのです。

築基功を練習する時は良い気持ちを持つ事がポイントです。季節で言うと暖かい春の感じです。春になると万物が活き活きと活動を始めます。良い気持を持つと全身の血管(毛細血管まで)、脈(絡まで)がオープンになり、全身の気(エネルギー)も身体の自然の要求に応じて、喜んでスムーズに流れるようになります。
逆に気持が落ち込むといくら気を動かしても、毛細血管、細胞、或いは体のもっと微細なミクロの部分までは、気の効果があまり届きません。ですから良い気持で全身の気を動かす事は大事な事です。

築基功を更に深く練習すると、背骨を通して全身を観て光の自分を動かす功法と、宇宙を動かす功法がありますが、今回は初心者向けの説明ですので、此処までといたします。
では、これから良い気持で、二つの蛇を動かすことによって、肉体の体と気の体を整えましょう。

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