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118.養生禅について

禅は禅那、禅定、静慮(せいりょ)、思維修などいろいろな呼び方があります。
禅の源の一つは、紀元前1200年~1000年の間に生まれた、インドのボロモン教です。
当時、ボロモン教の貴族たちは老いてくると、財産を子供に譲り、自分は森林に住まいを移して、心を静かにする訓練を通して人生は何かという事を過ごしていました。その時期を林住期といい、その訓練を禅、あるいは禅定といいます。

 

仏教はボロモン教の影響を深く受けて、禅の訓練は仏教の主な訓練の方法になりました。
東漢年間(およそ紀元前67年前後)に、禅定は仏教と共に中国(中原-今の西安の近辺)に伝わりました。考古学では道教文化にも大きな影響を与えたという考察も見られます。
道教文化の源流の一つは、仙人になるという修行(修仙)の方術があります。この修仙の方術は中国の禅定という事です。
ですので、中国の禅、あるいは禅の修行は、主に古代インドと道教が源です。
この二つの源は互いに中原大地でぶつかって、融合して、儒教、仏教、道教の発展に大きな影響を与えました。

 

禅定は、仏教の悟り、基石となって、道教の仙人になる、あるいは、精(身体の中で一番良いもの)、気(身体のエネルギー)、神(精神状態)を鍛える根本的な方法です。
禅定は仏家の浩然の気、あるいは修身養性の基本の修業法です。

 

禅定の歴史は長いですが、明確に養生目的で禅定を行う歴史は短いです。現代では養生目的で禅定を行う事が求められています。養生目的で禅定をすることで名を知られている人は、中国道教初代会長、陳嬰寧先生です。

 

1950年代に劉貴珍先生は、北方の気功療養院に気功療法(禅定療法も含めて)を取り入れました。これは初めて広範囲に養生目的で禅定を行った事と言えます。残念な事には様々な原因から短期間で停止されました。

 

1980年代に気功大ブームがおこり、養生目的での禅定が再び世間に重視されるようになりました。しかし残念ながら暫くすると、養生目的の禅定は、宗教、迷信、超能力等の方向に行ってしまう事となりました。現在では養生目的で禅定しようとしても、宗教の真似や、深さが無いといわれ、軽蔑されたりします。
でも養生目的で禅定をする事は、現代社会においては必要になると思います。

 

というのは、現代社会は発展スピードが速くて、変化も早いです。忙しい社会で生きる我々は、考える事、情報を整理する事、変化する環境に対応する事など、さまざまに関わる事が複雑になって、生理的に対応しきれないでいます。その為に心身の病が増加しています。
ある統計によると、日本では2017年時点で精神疾患患者数は400万人を超えると言われています。

 

禅定を修行すると心身共に緊張感を開放してリラックスし楽になります。これは身息意気神などの要素を整えてリラックスする方法です。ここで養定禅をまとめて一つの言葉で表すと、養定禅は養生の為に禅定を行う事です。これは現在生きている自分の心身、肉体と精神の健康の目的のための禅定法です。
宗教や魂、来生、天国、地獄などの概念とは一切関係ありません。

 

ですので、養生禅は科学と自然に沿っているものです。
例えば、心身共に病がある場合には、魂や幽霊などの影響などと考えないで、医学的見地から判断しましょう。同様に健康になった場合も医学的基準から判断しましょう。

 

養生禅の特徴の一つ目は、宗教や神秘的な事とは関係なく、魂や来世、天国や地獄等とは関係がありません。

 

二つ目の特徴は科学と自然にそっているものです。
例えば精神的プレッシャーがあると医学的にも反映されます。瞑想するとリラックスすることが医学的にも証明されています。瞑想するとドーパミン、エンドルフィン、セロトニンなどの物質が分泌される事も証明されています。

 

三つ目の特徴は、何千年の瞑想の実際的経験を大事にしている事です。いくら科学が発達したといっても瞑想時の貴重な体験には、科学技術やデータが反映されていないところもまだあります。例えば、持身法や奇景八触、離体意識、時空間を超える、天人合一等々。これらの瞑想中の色々な体験は、貴重な宝物として、健康と科学とどうかかわるかを研究するべきです。

 

四つ目の特徴は、養生法の一つなので、自分の感情を抑えるという事を目標の一つとして練習することはありません。長い歴史の中で感情は瞑想と対立して邪魔なものとして見られてきましたが、養生禅の立場から見ると、人間は欲と感情を持っている事は当然の事です。いくらよく瞑想をしても喜怒哀楽を消すことではありません。ただし練習すると穏やかになる事は間違いありません。

 

五つ目の特徴は、練習の結果が良いか悪いかの判断は心身共に健康になる事だけです。例えば連続数日に渡って瞑想する事は大変な事ですが、そのあと、自分で歩くこともできないほど身体が衰弱してしまっては、良い瞑想とはいえません。瞑想して色々な神秘体験があれば、すごいように思えますが、精神的にバランスを崩すのは養生法の目標から離れてしまいます。

 

六つ目の特徴は日常生活と合わせて行う瞑想法だという事です。
瞑想のある段階になると、一人になりたい、社会から離れたいという気持ちが強くなりますが、養生法からみると、その気持ちを克服して生活と融合しながら瞑想していくことが基本的なポイントです。その意味で、瞑想をよく練習していくと、より普通の人間になります。もっと誠実、地味、信頼できるという性格になります。

 

七つ目の特徴は動功と静功をバランスよくとっている瞑想法です。動功は背骨で全身を動かすという有酸素運動で、劉漢文先生の教えの功法です。以上で養生法の特徴を大体述べました。ゆっくり体験して理解しましょう。

 

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