113.「止」と「観」のプロセス(その1)
禅修は歴史的には永く、内容は豊富ですが、まとめると「止」「観」とも言えます。
Ⅰ.「止」は、中をおさめて一休みする、永く安定すると言う意味です。
いわば、瞑想・禅定と言う事です。
人間の意識と気持は、常に揺れて無駄に動いています。
瞑想はその無駄な動きを止めて安定させます。だから「止」と言います。
「止」には二つのポイントが有り、一つはプロセス(経過、過程)と言う意味で、もう一つは安定した状態の事を指しています。
1. プロセスとしての「止」は、不安定から安定になる四つの段階に分けられます。
①滝のように流れて来て、雑念がどんどん出て来ます。
②渓流の流れのように、激しい時もあるが、静かに流れていきます。
③続けて練習していくと、波の有る海のように、表面に波が有っても、海の深い所には影響が及ばない。というのは、雑念が出て来ても、安定の気持の邪魔にはならないのです。
④波の無い海の境地です。雑念の無く、気持の揺れも無く、安定して楽しい良い気持です。
2. もう一つの意味は、④の状態だけを指しています。気が満杯になった時の状態です。
気が満杯になったら、細かい微妙な動きまでも無くなります。
その時、当然、社会との繋がりの中での物事への執着心や俗っぽい気持が無くなります。
分かりやすい例えで言うと、苦労して山に登り、日の出と共に雲海を見る時の気持です。
(その2)に続く
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