50.「松静定悟慧」について
日本禅密気功研究所の会員証の裏面には、「松静定悟慧」と書いてあります。
時々、どういう意味ですかと聞かれることがありますので、ここで説明したいとおもいます。
「松静定悟慧」は中国語で、この五文字は気功練習の過程の概略を表しています。
「松」は中国語では二つの意味があります。一つは樹木の松を表し、もう一つはリラックスするという意味です。
ですので、気功ではリラックスと言う意味を表します。
気功の練習は先ず、全身をリラックスさせることです。人は忙しくなる程、緊張感が高まり、その結果免疫力が低下して病気が生じます。リラックスすると、全身の毛細血管が開いて細胞が活性化し、気が活発になり元気になります。
禅密気功では、背骨で全身を動かす、密処を緩める、慧中を開く、という幾つかのポイントで全身をリラックスさせることができます。
「静」は、落ち着く、ホッとするという意味です。全身の緊張感がほぐれると、穏やかで落ち着いた気持ちになります。
その穏やかさは、体(「身軽安」)と気持ち(「心一境性」)の両方について言えます。
「身軽安」 練習をすると体内に気が充実し、体が軽くなります。
「心一境性」同時に気持はとても安定して、雑念は殆どないし、自分は無限の空と一体になるような感じになります。或いは、波一つない静かな海面、雲一つない青空と一体になるような感じです。
「定」は「静」の状態を続けられる安定力があるという事です。
「悟」は、練習の良さが分かる事と、練習しないのは良くないという事が分かる。
この段階になると、各流派、各功法の良いところ、悪いところが分かるようになります。
要するに、練習の正しい方向が分かると言う事です。別の言い方をすれば、家に帰る道が分かって迷わないという事です。
「慧」は、習慣、性格、生き方、人生観が変わります。総て、心身双方の健康維持に適したものに変わります。
「悟」は正しい気功の認識を得る事であり、「慧」は更に進んで、認識すること以上に、自分の生活習慣、生き方、性格まで変わり、気功の練習と一致した状態になる事です。
「松静定悟慧」は、劉漢文先生著書「中国禅密気功」慧功の項目に書かれています。
本を持っている方は参考にして下さい。
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