36.気持の訓練について
気功の練習とは、体、気(光)、意識、心を鍛練することです。
体の練習は動功を通して、すじ、筋肉、骨などを鍛えます。
気は体内の気ですから、体が弱くて体力がないと気の活性化の邪魔になります。
瞑想は気を活性化させる大事な方法の一つです。体が弱いと瞑想の邪魔になります。
気に意識を集中していくと、雑念が減って、集中力と念力が自然にでてきます。
心の訓練をすると、以上の練習の効果がより高まります。
同時に、体、気(光)、意識の訓練は、心の訓練にあらわれてきます。
お互いに繋がって、影響しあっています。
今回は心の訓練について話したいと思います。
ここでの「心」とは、哲学的な意味や知識のことではなく、精神状態と気持や感情の事です。
人間の精神状態は、様々な影響で、気持が入り混じった状態になっています。
例えば今、この文章を読んでいる貴方の現在の気持は、今まで過してきた気持の繋がり、体の状態や生活環境など、いろいろな要素の影響を受けて、なりたっているのです。
この気持は、常に不安定で動いています。
気持の練習というのは、この不安定な気持の中に、穏やかな気持ちを探していくことです。
最初は探しているつもりですが、雑念が多いので、邪魔をして、実は探していないのです。
雑念が多すぎる時は、それが雑念がどうかも分かりません。
練習を通して、少し雑念が減っていけば、雑念が多いな、とか、雑念が邪魔をしているなと、やっと分かってきます。
練習を続けていくと、不安定な気持の中に、時々穏やかな気持ちを感じられるようになります。でもすぐに眠気や雑念が湧いてきて、邪魔をされます。
もっと続けて穏やかな気持ちを探していくと、感じる時間が長くなって、邪魔な雑念と眠気が減ってきて、邪魔をする力が弱まってきます。
さらに練習を続けると、穏やかな気持ちを連続で感じるようになって、雑念と眠けがもっと弱くなり、あってもあまり邪魔になりません。
その段階を過ぎると、雑念と眠けが無くなって、穏やかで何ごとにも煩わされない気持ちになります。
時間をとって瞑想に専念すると、以上の境地に到達できます。
しかし人間には、練習以外の生活があります。
生活していると、外部の影響により、気持がまた揺れて変化します。
揺れると言っても、練習している人の気持は、練習していない人ほどには揺れません。
例えば、怒っても、普通の人ほどには怒りませんし、たとえ怒ってもすぐに穏やかな気持ちに戻ります。常に練習している人の入り混じっている気持の中には、穏やかな気持ちが多く占めています。穏やかな気持は土台であり、他の喜怒哀楽はこの上にのっています。穏やかな気持ちと喜怒哀楽は一体になっています。
最初は時間をとって練習していますが、上達してくると、常に自分の気持ちを観ているので、練習している時としていない時の区別が無くなります。
以上で心の訓練のプロセスを説明しました。
では一緒に、心の訓練を致しましょう。
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