8.「入空」と居眠りの違いについて
意識がない状態(これは外から見ていると居眠りに見える事がありますね)は、 「入空」又は「無有処定」「非想非非想処定」とは違うのでしょうか?
この質問に対しては私は以下のように考えています。
意識が無いという状態には、一つは寝てしまっていて、自分に記憶がない、分からないという状態と、もう一つは意識するという機能そのものが不可能な状態(昏睡状態或いは死ぬという事)があります。
大まかに入空という事で説明すると、物事を認識する機能はありますが、意識が停止している状態になっていて、その停止は外部の刺激が練功により受けつけなくなって自分の中の溜まった感情、ストレスを全部発散し終わった後の状態をいいます。例えば静寂な月夜にいるとしましょう。「入空」の状態ではこの月夜の美しい景色ははっきりと分かります。明晰な気持ちでいます。寝てしまっていてはこの月夜の景色は分かりませんね。ここでの静寂な月夜という状態は静かな気持ち、安定して明晰な気持ち、幸せ、美しい等の感情が混ざっている状態です。この状態は外部を探して得られるものではなく、自分の気持ちの本能です。何も染められていない純真、原始の気持ちです。
私が上記のような状態を特に長く経験したのは2回だけあります。1回目は1,2ヶ月続いたでしょうか。その後、この状態に戻りたいと思ってもなかなか実現できません。これから練功をして皆さんと一緒に到達していきたいと思っています。この体験は2回だけでしたが、とても深く印象に残っています。その間は寝ている時も起きている時もその感覚がずっと続きます。人に対して怒りもなく、焦る事もなく、悩みもなく、通常の状態とは全く異なります。
ここまで書いて、その時のことを懐かしく思い出しました。なんとか私はうまく説明しようとしているのですが、どんなに説明しても言葉では的確には伝えにくいですね。でもこれで一応説明とします。すこしでもお役に立てばと願っています。
« 7.「四禅八定」と四つの段階について | トップページ | 9.意念を通して気を感じる方法について »
「気功概説」カテゴリの記事
- 117. 小周天について (2022.03.28)
- 102. 三つのポイントで気功(瞑想)の練習を評価する(2015.11.10)
- 101.気功的な生き方(2015.09.01)
- 88.気功(瞑想)練習の偏差について(2014.12.11)
- 84.六妙門について(2014.10.02)
コメント